測定器編

電子工作で比較的良く使う測定器類の紹介です。

当方の手持ち分のみになりますので結構片寄っています。


 オシロスコープ

いきなりオシロスコープです(^^;

これが有るのと無いのでは回路のデバッグ、理解がえらい違いです。

オシロスコープは主にアナログ式とデジタル式の2種類が有りますが、どちらも一長一短が有りますので、測定したい信号の性質により使い分けるのが基本です。

と言っても個人で2種類も揃えるのは非現実的ですので、実際にはどちらかになりますね。

一般的な回路(オーディオ、ビデオ、小規模ロジック等)でしたら、アナログ式で十分です。

価格は測定帯域によって様々です。

オーディオ帯域(〜数十MHz)でしたら数万円から有りますし、普通のビデオ帯域(〜100MHz)でも十数万で新品が買えます。

ちなみに、写真のオシロスコープは、リーダ電子製のアナログ式 2ch 100MHz帯域の物です。

二十年ほど前に夏のボーナスを注ぎ込んで買いました(^^)<勿論新品です

 

 測定画面

上記の波形画面になります。

機種によっては画面に測定時の条件(ch表示、レンジ等)や測定値(電圧、周期等)が出る物もあります。

アナログ式は波形をレポート等に残そうとする場合、写真で撮るしかありませんので結構面倒です。

波形撮影用のポライロイドカメラも存在しています<デジカメが普及する前は、結構大変でした

 

 低周波発振器

アナログ回路の動作としては、信号入力→信号出力 という処理を行う物が殆どです。

出力はオシロスコープで観測出来ますが、その入力を発生させる必要が有ります。

音声回路でしたら、実際の音声(音楽等)を入れても構いませんが、観測するには一定の信号(周期、波形、電圧等)の物が便利です。

 

 発振波形観測中

この発振器は、正弦波又は矩形波が出力出来ます。

写真は2KHzの信号を出力中。

オシロスコープの管面にカーソルアウトで2KHzが表示されていますね<手動計測(^^;

 

 デジタルオシロスコープアダプタ

アナログオシロスコープでは不可能(困難)な波形観測として、超低速信号や単発信号が有ります。

アナログ式では画面の蛍光塗料の残像時間分しか波形を記憶出来ませんので・・・

そこで登場するのがデジタル式オシロスコープになります。

アナログ信号をA/Dコンバータによってデジタル信号に変換しますので、その後の処理(記憶や演算等)がソフトウェア次第で色々実現出来ます。

通常、オシロスコープと言うと、前述のディスプレイ・測定部一体形状になりますが、デジタル式の場合、信号入力部と表示部が分離していても構いません。

写真は、SOFT DSP社のSDS200です。

デジタルオシロスコープのA/Dコンバータなどの必要最小限だけを外付けにして、演算や表示はPCに任せるという方式になっています。

PCとの接続は今時のPC周辺機器で良くあるUSB接続になっています。

設計が某国という事で、一抹の不安が有りますが・・・<実は計測ソフトにバグが有る(Ver.2.3.1でも残っている)

秋月電子通商購入です。

現在はSDS200Aとなって若干機能UPした物も併売されています。

また、KENWOODからもOEMで出ていますのでサポートに不安が有る場合にはこちらを入手する手も有ります<SDS200A相当

 

計測上の不具合(バグ)に付いて秋月電子通商に問い合わせたところ、旧型でも新型でも同様に発生するようです。

本体より、PCのアプリケーションソフト側に問題が有ると思いますが、まぁ気長に直るのを待ちますか(^^;

と言う事で、ついでに差額無しで新型へ交換して頂きましたm(_ _)m

 

 測定風景例

計測部はコンパクト形状です。

電源はUSB端子から供給です<USB端子の電流容量(規格)がオーバーしてそう・・・

NotePCと併用する事により、屋外でも使用出来ます。

 

 計測画面

PC画面の解像度は800x600以上必要です<これでVAIO C1からの乗り換えを決定しました(^^;

DirectXを使用してそこそこ高速な画面書き換えで表示されます。

専用のデジタルオシロスコープとほぼ同じ感じです(使い勝手は専用品に譲りますが)

 

 波形保存例(原寸大)

測定メニューから、波形の保存が出来ます。

アナログオシロスコープでは真似の出来ない事です。

 

 安定化電源

実験するのに無くてはならない、安定化電源ですね。

左側は市販の安定化電源です<某社のゴミ捨て場から拾ってきました(^^;

右側は自作安定化電源(中身は秋月電子通商のキット改)です<中学生の時に作成(^^;;

基本は定電圧電源ですが、過電流保護回路をいじって、定電流電源としても使えます。

 

 テスタ各種

電気をいじるには最低でも持っていたい測定器ですね。

こちらもアナログ式とデジタル式が有ります。

やはり一長一短が有ります。

まずはデジタル式の物を入手しましょう<ソコソコの品質の物で

 

 ユニバーサルカウンタ

ユニバーサルカウンタとは、

・周波数カウンタ

・レシオ(周波数比)カウンタ

・ユニバーサルカウンタ(パルス計数)

・タイムインターバルカウンタ

・ピリオドカウンタ

などの集合体になります。

この手のカウンタは、比較的自作が容易ですので、キットや雑誌などで良く見かけます。

かく言うこのカウンタも秋月電子通商のキットになります。

カウンタ本体はワンチップのLSIで出来ていますので、腕の見せ所はアナログアンプ部やケース加工になります。

また一番重要なのは基準発振クロックですので、いかに安定した構成(回路や実装、部品など)が出来るかです。

 

追加

 高圧プローブ

上のオシロスコープなどで使用する信号測定用のケーブル&接触端子をプローブと言います。

通常は、被測定系への影響を軽減させるために1:10の減衰比を持たせた物をよく使用します。

 ・測定対象が10Vであった場合、オシロスコープへは1Vで入力される

 ・オシロスコープの入力インピーダンスは通常1MΩですが、プローブ入力端では10MΩになる

わざわざ信号を減衰させる理由は色々ありますが、主な目的は周波数特性の改善、被測定系への影響を軽減する事が上げられると思います。

ここで、測定したい電子回路の信号レベルですが、通常は数Vから数十V程度です。

最大で100Vとしても、オシロスコープへの入力端子では10Vになりますので、オシロスコープの入力回路にやさしい電圧です。
↑オシロスコープの入力端子には最大印加電圧が規定されています

それ以上の電圧を測定する場合にはどうしましょうか?という事で、1:100や1:1000のプローブがあります。

これを使用すると、1000Vオーバーでも測定が可能になります<最大使用可能電圧は個別に確認してください

 上:通常のプローブ 下:高圧プローブ

高圧対応(絶縁性確保)のために、ごっつい構造になってます。

1:100プローブなどオシロスコープには標準で付いてはきませんので、欲しい場合には別途調達することになります。

測定器関係は、一般用途の物ではありませんので、それなりに価格が張ります<1本数万円レベル

最近は秋月電子通商などでアジア製?の安物プローブが出ていますので、入手しやすくなった感がありますが、性能はイマイチですね。

 高圧プローブ(日本テクトロニクス P5100)のディレーティング図(図の上)

今回調達した高圧プローブと秋月電子通商高圧プローブディレーティング図を比較すると、周波数が上がると耐圧が落ちる様子が分かります。

直流〜程度の測定でしたら問題ないですが、高周波高電圧系(スイッチング電源やHIDバラストなど)では難しいですね。

安いものはそれなりという事で。

調達はレンタル会社の再整備品(校正済み)を購入しました<それでも2万円(;;)<個人では取引不可なので会社経由で。

 

 電流プローブ

オシロスコープで測定出来るのは電圧関係ですが、電圧と並んで測定したいものに電流がありますね。

電圧を測定するのにはプローブに回路を並列に繋ぐだけで良いですが、電流の場合には測定したい箇所を切断して測定器を繋ぎます。

測定したい場所が長いケーブルの1箇所だけでしたら比較的楽ですが、何箇所も見たりするには面倒です。

何より、測定したい箇所を切断して割り込ませなければ行けないのが最悪です。

そこで登場する便利な測定器(プローブ)として、電流プローブがあります。

これを使用すると、測定したい箇所を切断する事無く、電流の観測が出来ます。

 →  → 

   左:プローブの先端(の穴) ここに電流を測定したい箇所のケーブルを通す

   中:穴の半分をスライドして、ケーブルを通す

   右:元に戻してセット完了

電流プローブには、AC専用とAC/DC両用の2種類あります。

 ・AC用の原理はトランスと同じですので、直流〜低周波(100Hz程度)で動作しません<その代わり安価(数万円程度)に作れます

 ・DC用の原理はホール素子(FANモータなどで使用)を利用した磁力測定方式が基本です<アンプや消磁器などで高価(数十万円)になります

どちらも、電流を一旦磁界にして、その磁界を再度電流に戻す事によって測定するものです。

今回調達したものは、日本テクトロニクスA6302(電流プローブ本体)、AM503B(アンプユニット)、電源ユニットのセットです<某オクで約5万円

測定範囲は、20A(連続)、50A(ピーク)、DC〜50MHzですので、ソコソコの用途で使用可能です。

仕事では何度か使っていたのですが、個人的にも以前から欲しかったので、ちょっとシアワセ(^^)

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 NTSC信号発生器

ここからはちょっと特殊な用途の測定器類になります。

NTSC(日本のTV方式、VIDEO信号)の信号発生器です。

TVやビデオデッキの修理や液晶TVの作成時など、基準信号が必要な時に使用します。

 

 発生信号例

画面はカラーバーになります。

おなじみですね。

RGBの3原色が信号としてしっかり出せますので、色相や彩度、輝度の調整や確認が出来ます。

他には、クロスハッチや単色画面などが出力出来ます<主にTVの調整用ですね。

用途としては、ビデオ→RGBコンバータの調整などになります。

 

 ベクトルスコープ

これもVIDEO信号の測定器になります。

こちらは主に、色相や彩度の信号上の確認に使われます。

 

 信号観測例

測定信号は、前述のカラーバー信号になります。

各色が基準通りの位相やレベルになっているか、一目で分かります。

信号の品位が悪いと、各点の大きさが大きくぼやけた感じになったり、各点を繋ぐ線が歪んだりします。

こちらの用途は、RGB→ビデオ信号変換器などです。

 

元々、映像関係が専門ですので、このような測定器も持っています。

HIDが専門では有りませんので・・・(^^;

ま、何でも屋ということです。

 

他にもワンチップマイコンの開発環境等も有りますが、そのうちという事で。

 

 

追加(2018.10.13)

  サーモグラフィー

電機製品ですが、発熱とは切っても切れない関係がありますね。

余りに熱いと半導体が壊れたり、熱暴走したり、部品の寿命が短くなったり・・・

これは信頼性に関わる重要な事項ですので、実際の製品開発では様々な熱設計や放熱対策を行っています。

発熱具合は入出力電力や部品のカタログから計算である程度推測できますが、最終的には実機での確認が行われます。

以前は測定したい箇所に熱電対などを接触させて温度を見ていましたが、最近の各種センサー類の開発や性能向上によって非接触での温度測定が可能となってきました。

非接触での温度測定は、放射温度計があります<当方も所持しています。

放射温度計は1点の温度を測定する事が出来ますが、これを縦横に多数並べて、2次元配置での温度分布を一度に測定できるようにしたものがサーモグラフィーになります。

という事で、以前から気になっていたサーモグラフィーを入手してみました。

 XINTEST HT-02 実際のメーカ名は不明です(^^;

サーモグラフィーとは、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出し、見かけの温度に変換して、温度分布を画像表示する装置となります。

>参考:赤外線サーモグラフィとは

熱分布が画像で視覚的に理解できますので、例えば基板上のどの部品が何度になっているか、一目瞭然です。

 

今回購入した物は、中国製の安物です。

安物とは言っても、Aliexpressで$192(約2.2万円 送料込)でした。

可視光画像は普通のデジカメと同じ物ですので高解像度品でも安価ですが、赤外放射センサーは特殊な物ですので、低解像度でもそれなりの価格になってしまいます。

可視光解像度は30万画素ですが、赤外解像度は3600画素(60*60Pixcel)しかありません。

※更に安い物では赤外解像度が32*32画素だけ(^^;

これだけでは解像度が低くて細かい部分が良く分からない上、同じ温度の部分では画像に差が無く、何が写っているのか分かりません。

そのため、(高解像度の)可視光画像と重ねることにより具体的な発熱箇所の特定が行いやすくなります。

 可視光画像(通常のカメラ)

 可視光画像+赤外放射画像

 赤外放射画像

通常の可視光画像では、筐体が熱くなっている事は分かりませんが、赤外放射画像で見るとしっかり熱くなっているのが分かります。

 

蓋を開けて基板を観測

 可視光画像+赤外放射画像

こうしてみると、基板中央にあるメインのLSI(放熱板付き)と、電源部分が発熱している事が分かります。

また、カーソルのある部分(画像中央部)の温度も表示されています。

放熱板を替えてみたり、FANを付けて効果確認したりなど、発熱対策作業が手軽にできますね。


2004.10-

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